iPhoneXは中国で受け入れられる?中国で低迷してきた4つの原因

調査会社Kanter Worldpanel Comtechの調査によれば、2017年第1四半期のスマートフォンの売上ベースのOSシェアは、Apple社のiOSが「中国と日本を除く」世界の主要国でシェアを伸ばしていることがわかりました。

Kanterによれば、中国におけるiOSシェアは2017年第1四半期に前年同期比で8.6ポイント減の12.4%、2014年第2四半期以来の最低値を記録、しかし、iPhone7は同四半期に中国都市部では最も売れたスマートフォンなのです。


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中国国内メーカーの強さ

中国の国土は日本の約26倍、もちろん地域間の所得格差も大きく、上海のオフィス街に行けば、右も左もiPhoneユーザーだらけ、この格差があってのiPhone7の売上だと思われ、REDは中国でも大きな人気となったが、すでにOPPOがR9s Special Red Editionを発売しており、真っ赤なボディで大きな話題となっている。Apple社のiPhone7 REDは目新しさという点ではすでに弱かった、とengadgetは伝えています。

そのengadgetによれば、全世界のスマートフォンシェアは1位サムスン、2位アップル、の順位がここ数年変わっていないようですが、中国国内をみれば、街中にあふれる国内メーカーの広告で圧倒されるほど、各社の競争は激しさを増している、とのこと。ライカのカメラを搭載したP9、Mate9、ファーウェイ、OPPO(オッポ)等、中国全体の販売数トップ10には、ファーウェイの機種は4機種もランクイン、日本でも人気のP9、上位モデルのHonnorV9、ミッドレンジのnova、中国では一般的に100元台のスマートフォンが売れ筋となっており、各社ともこの価格帯の製品を多く出している、とのことです。

ところで、中国国内販売数トップ10内から振興スマートフォンメーカーとして有名なシャオミが姿を消しました。以前ならシャオミが新製品を出せば多くの消費者がすぐに飛びついていましたが、現在、中国国内ではあえてシャオミを選ばなくともトップ10に顔を出す他社が十分お買い得で納得な製品を販売してくれているため、シャオミの勢いは止まりました。
そして、そのシャオミの落ち込みに対し、10位内にはダークホース、Meitu(美図、メイトゥ)が登場、新製品はフロントに2400万画素相当のカメラを搭載、セルフィー特化、美顔モードを標準で備え上品な質感と色合いから主に女性層をがターゲットになっているようだとengadgetが報じています。

また、中国メーカーの強さは「明確な特徴」をもっていること、だとも報じています。

・P9、Honor V9はダブルカメラ
・R9 Plus、X9、T8、novaはフロントカメラ
・Honor8青春版、3T、N5はコストパフォーマンス

と、それぞれ明確な特徴を持ったうえ、価格と性能と質感、このバランスに優れた製品が仕上がっているのです。engadgetは最後にこうも伝えています。これら中国メーカー同士が今後も競争を繰り広げていけば、世界のスマートフォン市場での勢力は今より増すことは確実でしょう。

iPhone、中国での低迷の原因

Apple社のティム・クックCEOは米ニュース番組のインタビューに応え、中国市場におけるiPhoneの低迷について、「多くの噂の情報やメディアの記事が、新製品や、それがいつ登場するのかについて伝えていることが原因です」と述べた、とマイナビニュースが伝えています。ティム・クックCEOは続けて、「このことは、おそらく他の市場よりも中国市場において、より大きな影響を与えています。人々は最新のガジェットを購入したいという傾向が強く、加えて言うなら、iPhone7Plusが非常に成功したことの裏付けでもあります」と述べた、とのこと。ティム・クックCEOは次のiPhoneの噂が売上を抑制しているという考えを示しましたが、その見解についてもっと詳しく見ていくべきだとマイナビニュースの松村氏は述べ、以下の、iPhone低迷4つの理由を語っています。

1つ目として、2016年を通じた売上高の下落傾向はオーガニックなものだ、という見方です。
Apple社は2014年にiPhoneを4.7インチ、5.5インチと巨大化、同時に中国市場への取り組み強化のタイミングが重なり、中国市場が一気に花開きました。しかしそれ以降は下落傾向が続き、それでもまだなんとか前期比15%増の数字を保っています。下落傾向は急成長に対する急激な調整とみることができますが、次の起爆剤となり得るものが必要なことも事実。

2つ目として、iPhone7は魅力的でない。iPhone6s、iPhone7はiPhone6ユーザーにとって買い替えを急ぐ対象にはなりえなかった、ということです。
ティム・クック氏はインタビューの中で、中国市場の人々はより新しく優れたガジェットを買い求める傾向が強く、そのため、スマートフォンであれば、大画面が良い、そして、より高い性能や機能、デザインの良さが好まれる、と語っています。この説明から考えるに、iPhoneのここ3シーズンの低迷は自明、同じデザインを3世代踏襲していることで、メジャーバージョンアップだったはずのiPhone7は大きな買い替え需要を喚起できていないのです。

3つ目として、iPhone6が良いスマートフォン過ぎる。iPhone7のほうが新しい機能も楽しめるのに、iPhone6はつい最近まで併売されており、最新のiOS10のインストールも可能、現役のデバイスといっても過言ではないでしょう。このことはiPadでもApple社はすでに経験しており、良いデバイスすぎて、用途が拡大しなければ買い替える理由が見つからないのです。

4つ目として、中国市場で現在最も大きな影響力を発揮しているのはWeChatなのです。
メッセージングは面倒な中国語入力を避け音声でやりとりをしており、コミュニケーションから決済までをカバー、また、世界中の航空会社や金融機関、メディアなどが、中国のユーザーの取り込みを行なう最大窓口として、サービスをWeChat上に展開しているのです。最新のデバイスやOSがなくてもWeChatさえ動けば、中国におけるスマホライフの基本は十分におさえられるのです。

最後に松村氏は以下のようにまとめています。Apple社がiPhone7に先述の要素を持ち込まなかった理由は、後から振り返れば「戦略」として正解だった、と言えるかもしれない。Apple社が行なってきた期待感をあおるマーケティング戦略は現段階において最大のパフォーマンスを発揮している、と思えるからです。

待たれるiPhoneX、iPhoneXPlus、そしてiPhone8、中国市場の心を鷲づかみにしてくれるのでしょうか。

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