LGがOLED市場への本格参入を決めたのはiPhoneXの供給が狙い?

BloombergTechnologyは、LG(LG Display)が本格的にOLEDの開発に参入することを決意したことに関し、Apple社が次世代iPhoneのディスプレイにOLEDを採用することを受け市場規模が今後急速に拡大すると見込んだからだ、と伝えています。また、LGのCEO、Han Sang Beom氏は現行のLCDディスプレイの生産ラインを閉鎖してでも、徐々にOLEDへ切り替えていくつもりだと語り、本格参入を顕にしています。


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iPhoneへのOLED供給戦争

OLED市場は現在、技術力、生産能力ともにサムスンが躍進しており、実際、今年リリース予定のiPhone8にもサムスンがOLEDを独占的に供給することがほぼ確実だとBloombergは伝えています。

先述LGのHan Sang Beom氏は、LGが小型デバイス向けディスプレイ分野で遅れをとっていることを認めたうえで、技術コスト問題からいまだ市場規模が比較的小さいOLED市場に着目、これをチャンスととらえたようです。今まで大型ディスプレイに力を入れていたLG、iPhoneに関してはJDI(ジャパンディスプレイ)に押され気味ですが、これを機に改めて、ディスプレイのサプライヤとして中核を担いたいという思惑があるようです。しかし今年の供給に間に合うかといったら可能性は低く、ただ、ニュースサイトApple Insiderは来年2018年ならあり得ると語っています。

ただし、新生シャープやJDIなど他社もiPhoneへの供給を計画しており、コストを下げたいApple社としてはサプライヤ同士のこの状況は願ったりかなったりだ、とも伝えています。

巨額投資が続くOLED市場

日韓ビジネスコンサルタント劉明鎬氏は、LGがすでにパジュ(波洲)に世界最大工場の建設を計画、OLED生産体制構築に10兆ウォンの投資を決定している、と語っています。

OLEDは高輝度、高コントラストなどの長所、また反応速度もLCDと比較すると1,000倍も速く残像が残らないというメリットもあり、OLED分野の市場調査会社HISによれば、OLED市場規模は2014年87億ドルであったのが、2022年には291億ドルに成長すると予測、その需要によって価格の優位性を証明、スマホへの本格的採用が進みそうだとも劉氏は述べています。

また、OLEDを世界で最初に商品化したのは日本企業ですが、量産化の壁を乗り越え市場をリード、今や中小型OLEDの世界シェア90%以上を占めているサムスン。サムスンディスプレイは今までのシェアを守るため、今回、最も積極的な投資を敢行、早期に月産4万5,000枚の生産体制を構築している中、中国がOLEDに莫大な投資計画、さらにはJDIが㈱JOLEDを120億円で買収し市場への攻勢をかけようとしています。しかしOLED技術は難易度が高く中国企業にキャッチアップされることはないだろうし、日本の場合はスケールメリットの面で韓国企業の大きな脅威委にはならないと業界専門家は述べています。

ソニーやパナソニック等日本メーカーがOLED開発を大幅に縮小、撤退する中、踏ん張った韓国勢にとってOLEDの需要増加は韓国経済への渡りに船、韓国の2社、サムスンとLGどちらが本命になるか市場から目が離せないと劉氏は語っています。

LGの挑戦

LGはOLED市場に本腰を入れて参入するとともに、折りたたみ可能なディスプレイの開発にも本腰を入れるとCEOのHan Sang Beom氏が語っています。

アナリストJerry Kang氏によれば、今年はOLED元年などと言われ、先述のように市場が大きく動いていますが、その盛り上がりの中、次の市場としてフレキシブル・ディスプレイ(折りたたんだり巻いたりできるOLEDディスプレイ)が登場すると予測しています。

折りたたみ可能なスマートフォン「Galaxy X」を開発しているサムスンが巻物のようなAMOLEDディスプレイを披露したかと思えば、LGも、まるで紙のようなディスプレイを紹介、今年2017にはスマートフォンに実装すると伝えています。
果たしてApple社がフレキシブル・ディスプレイを採用するかどうかですが、iPhoneの新技術、触覚フィードバック機能Taptic Engineを放棄してでもApple社が折りたたみにこだわるとは思えない、と噂されています。

しかし、全体の潮流として、フレキシブル・ディスプレイが従来のディスプレイを追いやり、台頭していく流れが必然的だとHISは語り、計算によれば6年後の2022年には非フレキシブル・ディスプレイが36億ユニット出荷に対し、フレキシブル・ディスプレイは4億3,330万ユニットまで迫ると見積もっています。

サムスンを追いかけるLG、今後に注目です。

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